五限目が終わって、翔太が来てからしばらく時間が経つけれど、私の隣に座って何も話してくれない。


私が棺桶に入る前に話を聞かなかった事、もしかして怒ってるのかな?


だとしたら、悪い事をしたな……。


「あ、あのさ……翔太、ごめんね。怒ってるよね?」


と、私が言っても黙ったまま。


気まずい……いつもなら普通に話をしているのに、何も話してくれないと、どうして良いか分からない。


いったいどうしたんだろう……さっき見た時は体育座りだったのに、今はなぜか頭を抱えてブツブツと呟いている。


そして、突然頭を上げたかと思ったらこちらを向き、私の肩をつかんで鬼気迫る表情を向けたのだ。


「美雪!俺は……美雪が好きだ!!」


ハァハァと呼吸が荒く、汗もすごい。


この一言のために、こんなに長い間黙ってたの?


翔太って変わってるんだな。


「ありがとう。私も翔太が好きだよ。皆、好……」


「よっしゃあああああっ!!」


話の途中なのに急に立ち上がり、勢い良く両手を天に突き上げる翔太。