明日香の言葉に、うーんとうなり、少し考え込む。


難しいお願いをしているのかな?


先生なら簡単だと思ったんだけど。


「そこに『呪い』を解く鍵がある……か。もう僕には手が出せない領域だからね。分かった、手伝うよ。なんとかしてみるから、僕が呼びに行くまではどこかにいてくれないかな?ただし、絶対に放課後はひとりで行動しない事。いいね?」


「あ、ありがとうございます!」


頭を下げた私が、ゆっくりと頭を上げると、八代先生のギョロッとした目が私をジッと見ている。


「キミが相島さんか……僕は初めて会うけど、キミはそうじゃないんだろうね。話は聞いてるよ。『呪い』を説くために、自ら棺桶に入ったそうじゃないか。正直、僕も怖いけど……キミに任せるからね」


そう言って私の頭をなでる八代先生。


本当に怖いのだろう。


その手は少し震えていた。












五限目、八代先生は授業に出なければならないようで、タイミングとしては良かったのかもしれない。


私達は屋上に戻り、後は大職員室から先生達がいなくなるのを待つだけだという事で、明日香と雑談をしていた。