「ゲッ!南田!何が職員室にカモーンだよ……はぁ。ごめん明日香、誰かに私の荷物を教室に持って行くように言っといて」


南田先生に呼ばれて、肩を落として大職員室に向かった留美子。


その後ろ姿を見て……私の頭の中で、パズルの最後のピースがカチリとハマったような気がした。


思い出して……美子が何て言っていたか。


どうして私と話ができたかを。


「美雪、どうかした?早く行こうよ。高広と翔太が待ってるよ?」


「ちょっと待って、明日香……今、分かった気がするの」


美子がカラダのある場所に私を誘導したのも、話ができたのも、明日香に「カラダ探し」を頼まれる前に、私が前日に「赤い人」を見てしまったから。


「分かったって……美子が言ってたって言う場所の事?」


明日香の問いに、私は小さくうなずいた。


「カラダ探し」で、美子に誘導された場所ばかり考えていたけど、そうじゃなかった。


美子は、もっと早くに私にその場所を教えてくれていたんだ。


でも、「カラダ探し」の時にひとりで調べたはずだけど、あの時「赤い人」は現れていない。


きっと、「カラダ探し」の空間じゃないんだ。


「それで、どこなの? その場所って」