「ケッ、ずいぶんふぬけになったよなぁ、テメェもよぉ。『呪い』が解けなかったら、俺に殺されるって事を忘れんなよ」


そう言い、屋上に唾を吐いて袴田は去っていった。


「ふぬけってなんだよ……なあ?」


私にそう尋ねるけれど、この八日間の事を私は知らないから何とも言えない。


「で?美子が言ってた場所ってのは分かったのか?」


「うーん……まだかな。袴田が寝ている間ずっと考えていたんだけどさ、思い当たらないんだよね」


どう考えても、美子の声を聞いたのは家政学室の前だけなのに……。


場所を教えたって言われても、正直な所何も分からなかった。


「そう言えばよ、明日香も棺桶の中に入って目が覚めた日、お前が今いる場所にいたらしいぜ?」


高広も、留美子と同じように私の隣に腰を下ろして、笑いながらそう言った。


「そうなんだ。それでどうなの?明日香と付き合ってるんでしょ?順調なの?」


私がそう尋ねると、少し困った様子で、顔をしかめてため息を吐く。