三限目に来たのは……袴田。


よりにもよって、袴田とふたりだなんて。


これならひとりの方が気が楽かもしれない。


「相島ぁ、『呪い』はどうだ?お前が現れるまで待ってやったんだ、順調なんだろうな?」


「私、ずっとここにいるじゃん……『呪い』はまだだよ。美子に来るように言われた場所もまだ分かってないし」


「分かったから言ってたんじゃねぇのかよ?俺をだましたのか?あぁ?」


そんなわけないじゃん……それに、袴田をだますつもりなら棺桶に入れてるよ。


「だますわけないでしょ。世界もこんなになっちゃったしさ、今袴田をだまして何になるのよ」


「じゃあ、早く見つけろよ。その場所ってのをよ。ずっと考えてろ、俺は昼寝でもしてるからよ」


そう言い、本当に横になる袴田。


何をしにここに来たんだか……。


「……『呪い』が解けてよ、あゆみが生きてたらどんな世界になるんだろうな。お前とか留美子なんかは仲良くなるかもしれねぇな。あゆみにつきまとう、カスみてぇな男がいたりしてよ。……何言ってんだ俺は。テメェらの仲良しこよしに毒されたかもしれねぇ」