「高広は『カラダ探し』の事を知っている様子だったよな。なら、高広にきくしかないな」


もう制服を直したのに、チラチラと留美子の腹部を気にする浦西。


顔を赤くして、かなり意識している事が良く分かる。


「まだ喧嘩、終わらないのかな……浦西君、ふたりを止めてよ」


「む、無茶言うなよ! 高広と袴田だぞ!? 俺が殺される……」


ふたりの喧嘩はまだ終わらない。


でも、ふたりが怒鳴り合ってくれているおかげで、逆に私達は冷静でいられた。


伊勢と袴田……このふたりの間に、大きな亀裂ができた事は誰が見ても明らかだったけれど。


ふたりの喧嘩が終わるまで、廊下にいた私達は、「昨日」のメールの内容と、伊勢から聞いた話をまとめていた。


「だから、高広が言った通りだったんだって。校内放送が流れて、『赤い人』が現れてさ。きっと、本当に前回『カラダ探し』をやったんだって」


「待て待て、それだと、その前回の『カラダ探し』を、俺達もやっていた事になるんだぞ? 俺はそんな事をした記憶はないぞ」


「そんなの、私もないっての! でも……そうじゃなけりゃ、高広があれだけ知ってるわけないじゃん。あいつバカなのに」