「あー、くせぇくせぇ。俺はそんな話聞きたくねぇんだよ。相島、さっさと『呪い』を解きやがれ」


これ以上引き延ばすと、袴田の機嫌を損ねてしまうかもしれない。


「じゃあ、美子から聞いた事を言うね。方法はふたつ……ひとつは、美紀の『カラダ探し』のルールは絶対。そのルールに、美紀自身も縛られてるの」


正直、この方法はあまり期待できないけど……可能性はある。


「あ、それは私も考えてたよ。美紀に囚われてる間ずっとね」


チラリと長椅子で遊ぶ美紀を見て、明日香が呟いた。


明日香が考えているのに、遥は考えてなかったのかな?


それとも、考えてはいたけど隠していたのか……どちらにしても、こうなったらもうどうでも良い。


「そうか……つまり、次に棺桶に入った人は、『カラダ探し』をさせられた年月の後に目が覚める。でも、美紀が入ったら……自分の『呪い』に自分がかかる……」


本当にそうなるかは分からないけれど、美子が示した可能性のひとつがそれなのだ。


「あのガキを棺桶にか……どうなんだ?あいつも『赤い人』みてぇに、簡単に人を殺したりすんのかよ?」


作戦実行前に、袴田が素朴な疑問を私達に投げかけた。