「美子が教えてくれたんだ。でも……『呪い』を解いたら、今まで圧縮されてた時間が一気に解放されて、世界が壊れてしまうかもしれない……って言っても、本当に『呪い』が解けるかも、世界がどうなるかも分からないんだけどね」


「そう……なんだ。じゃあ『呪い』を解こう。こんな事、いつまでも続けてちゃいけないよ」


あっさりと承諾した明日香に、私は驚いた。


今、ようやく高広と逢う事ができたのに……それで良いの?


「明日香、良く考えて答えを出しなよ?高広の気持ちも考えてさ……」


留美子も私と考えている事と同じ。


でも、明日香の表情に迷いは見えなかった。


「私は信じてるから。世界がどうなったとしても……高広は、私を見つけてくれるんだよね?」


そう言った明日香に、少し照れたよう表情を浮かべて、高広は「おう」と呟いた。


なんか良いな、明日香と高広みたいな関係。


何が起こったとしても、高広が見つけてくれるって信じてるから、「呪い」を解く事に恐怖を感じてないんだね。