「あ……え?み、皆……集まって、恥ずかしいな。へへへ……」
6人の視線を一身に浴びて、照れたような表情を見せる明日香を、隣で見守っていた高広がそっと抱き締めた。
「た、高広!?あ……皆見てるよ」
困った様子で高広に抱き締められながら、頭をポリポリとかく明日香。
やっと明日香に逢えた……その思いが、涙となって高広の頬を伝い落ちる。
「明日香……あの、ごめんね。ぶったりして……」
高広が抱き締めてなかったら、留美子がその行動を取っていただろう。
遠慮した様子で、明日香を見つめている。
「あれは仕方ないよ。だって、私の事を覚えてなかったんだからさ」
恨みに思っても当然の事なのに、そう言って笑顔を向ける明日香。
やっぱり、優しいんだな。
だから皆、明日香の事が好きなんだね。
袴田と結子はどうなのか分からないけど。
「おいコラ、早く立てよ。『呪い』が解けないだろうが」
強い口調ではない……結子が明日香の立場だったら、きっと袴田も同じ事をしている。
と、私は勝手にそんな事を想像していた。