返事があるはずもないのに、袴田がスピーカーに向かって吠える。













『カラダがそろいましたので、今から終了処理を行います』













終了処理……この時に誰かが死んでいると、その人の「カラダ探し」と棺桶に入った人の記憶が消される。


でも、今回は誰も死んでいないから、終了処理なんて私達には関係のない話だ。












『今回は死亡者がいないため、終了処理を完了します。今からそちらに向かいますので、しばらくお待ちください』














そこで校内放送は終わった。


「今から明日香と美紀が来るな……遥が言ってたから、間違いはないだろ」


終了処理の完了と共に、そう呟いた翔太の鼻血も、少しずつその量が減り始めている。


「ふーん、そうなんだ?話をあんまり聞いてなかったから良く分かんなかったよ」


留美子がそう言った時、私は棺桶の足元に「赤い人」がいる事に気づいた。


「わっ!!な、なんでこんな所にいるのよ!?まさか、私達を殺しに来たわけじゃないよね!?」


私の視線の先を追った留美子が「赤い人」を見て声を上げた。