「あ、ふたりともおはよ。ちょっと外に出てようよ」


私達の姿を見た留美子が教室の入り口に歩いて来て、そう呟いた。


ふたりの喧嘩なんて見るものじゃない……そういう意味なのだろう。


昨晩、上半身と下半身が切断されていた留美子。


お腹をさすりながら、私達を押し出すように廊下に出た。


「はぁ……ねぇ、ちょっと見てよこれ。ひどいアザになってるんだけど……」


そう言って、ブラウスをめくり上げた留美子の腹部には、切断されたと思われる箇所に、アザができていたのだ。


留美子のその行動に、浦西は少し照れた様子だったけど、当の本人はまったく気にしていない。


「それで、どうなってんのよ? 今日って11月22日じゃないの?」


ブラウスを直しながら、私達にそう尋ねた。


留美子も気付いたんだ。


教室に入った時に見た光景のインパクトが強すぎて、今日が「昨日」だとは思えないけれど。


「伊勢君からメールが来てさ、カラダを全部見つけるまで、明日が来ないんだって……」


そのメールが送られて来たのが「昨日」の事だから、消えてしまっている。