そう言いながら、私達にそれを見せる。


後は棺桶に納めるだけ。


それで明日香は生き返るのだ。


「早く棺桶に納めに行こうよ!」


留美子がうれしそうに、入り口にいる袴田と結子を押し退けて玄関前ホールに向かう。


袴田も、チッと舌打ちをしながらもその後に付いて廊下に出る。


カラダを持っている高広は、まだ保健室の中にいるというのに。


「高広、早く行こうよ。明日香が生き返るんだよ?そのために頑張ってたんでしょ?」


「あ?あぁ……そうだな」


どうしたんだろう? 明日香が生き返るっていうのに、少し迷ってるように見える。


「どうかしたの?やっぱり、『呪い』を解くのが怖い?」


「いや、そうじゃねぇんだけどよ……考えてみれば俺、明日香と付き合ってたわけじゃねぇんだよな」


そのたぐいの話は、私は良く分からないけど……もしかしてその事が不安なの?


「でも、高広も明日香も……お互いに好きなんでしょ?だったらいいじゃん」