そんな会話の中、翔太の鼻血はポタポタと地面に落ち続けていた。


各々の思惑が渦巻く中、ついに生徒玄関のドアが開かれる。














キィィィ……。











と、きしむ音を立てながら、ゆっくりと私達を迎え入れるように。


「後は明日香の左脚だけだな……今回は棺桶から近いから、誰も死ななくて済みそうだぜ」


私達の先頭に立ち、笑みを浮かべる高広。


死んでしまえば記憶を消されてしまう。


「相島、分かってんだろうな?もしも『呪い』を解く事ができなかったらテメェら全員殺すぞ。『呪い』を解いても、あゆみが死ぬなら全員殺す」


言ってる事が滅茶苦茶だ。


どうなるかなんて、私にも分かるはずがないのに。


「私達まで巻き込まれるわけ!?勘弁してよね……もう十分すぎるほど死んでるのに」


「なんなら、武司を殺しておくか?それなら記憶を消されて『カラダ探し』の事なんて、きれいさっぱり忘れるぜ?」


また、喧嘩が始まりそうな予感。


でもそれはダメ。


今からする事は、袴田を失ったらできなくなるかもしれないから。