「ちょっと、皆良い?話があるんだけど」


結子がいつもの口調ではなく、素の口調で私達に問いかける。


演技ではなく、本当の結子の姿。


「呪い」を解くか否か、その答えが出たのだろうか?


「何だよ、言ってみろ。お前が武司と別れてねぇって事は、お見通しなんだぜ?」


そんな結子を指差して、勝ち誇ったようにフンッと鼻で笑う高広。


今日、明日香が生き返るという余裕があるからなのだろうか?


「そうみたいね。美雪も留美子も、私が武司といる所を見ても驚いてなかったみたいだし」


そう言い、私と留美子に目をやる。


「考えてくれた?どっちにするか。『呪い』を解くかどうかを」


答えがどうであれ、明日香が生き返る事は決まっているのだけど。


「そうだなぁ……明日香が生き返って、高広が喜ぶのだけはムカつくぜ。だからよ、『呪い』を解く方に2票だ。こんなクソみてぇな世界、ぶっ壊してやんよ!!」


あくまでも高広と協力するつもりはないという袴田の態度……。


今にも喧嘩が起こりそうな雰囲気に、私はどうすればいいか分からず、高広と袴田を交互に見る事しかできなかった。