「私だってさ、何も考えてないわけじゃないんだよ?でも『昨日』が変わってさ、変わる前の世界で生活してた人達はどうなったんだろうとか考えると、『呪い』を解いて世界が変わっても、同じじゃないかなって思えてさ……何言ってるかわかんないけど」


「私は……その気持ち、分かるよ。『呪い』を解いて世界が変わっても、この世界のあゆみちゃんや真冬は死んだままで月日が流れるかもしれないもんね」


八代先生が言っていたパラレルワールド……留美子が言っているのは、それと同じなのだ。


「美子は美雪に『呪い』の解き方を教えたんでしょ?だったら、私は美雪に任せるよ」


そう留美子に言われて……私は少し気が楽になった。











「ごめんね……ふたりとも、私のカラダを探して」


明日香が私達の前に現れたのは、21時を回った頃。


いつものように涙を流して、私と留美子の前に立っているけれど、それも今日で終わる。


「明日香、私は『呪い』を解こうと思うんだけど……良いかな?もしかしたら、世界が変わってしまうかもしれないけど」


私の言葉に何も言わずに、ただ涙を流して笑顔を向けているだけの明日香。