私達が生まれるずっと前から続いているこの「呪い」を終わらせたら……。


カラダを集めて「昨日」が変わる。


過去まで変えてしまうこの「呪い」を解いたら、どうなってしまうのだろう。


ベッドに横になっている留美子との関係も、今とは違うものになるのかな。


いや、八代先生が言っていた、誰かが消えてしまうかもしれないという可能性だってある。


それが、元から存在していないという意味でも、過去にすでに死亡してしまっているという意味でも。


どんな可能性も考えられるから……私は怖かった。


「留美子……私、誰に反対されても、この『呪い』を解きたい」


机に伏せて、呟くように言った私の言葉に留美子が小さく「うん」と答える。


私の気持ちだけで、こんな重要な事を決めても良いのかは分からないから話してみたけど、留美子は良く分からないって言ってたんだった。


「本当にそれでも良いの? 良く考えてよ?」


ただ流されるままに、分からない状態で物事を決められても、納得できるのだろうか?