そんな留美子の、そわそわした態度を見ながら、皆が帰って来るのを待っていた。


カチャン……と、一階から音が聞こえて、真冬が帰って来たのだと分かった。


お父さんやお母さんも一緒にいるかもしれない。


「留美子、帰って来たみたいだよ。さ、行こう」


「え!?い、いきなり行くの!?」


不安そうにしていた留美子の腕を取り、私は部屋を出て一階に向かう。


階段を下りると、お母さんが台所ではなく和室に入って行くのが見えて、違和感を覚えた。


晩御飯も作らずに和室に入るなんて、めったにない事だ。


「お母さん?真冬も一緒にいるの?」


もう廊下も暗いのに、照明も点けずに。


和室から、お父さんとお母さんの声が聞こえて、それに誘われるように部屋に入った私はその光景に首を傾げた。


和室の中央に布団を敷いているお父さんとお母さん。


「え……お母さん、真冬はどうしたの?それに、この布団……」


真冬の帰ってくる場所を作る……どうしても「昨日」、病院でお父さんが言った言葉が思い出された。