でも、結子と別れてないという事は、今度こそその関係が壊れてしまう可能性だってあるわけで……。


答えなんて、そう簡単には出せないだろう。


ポーンという音が鳴り、エレベーターが一階に到着した。


「留美子はさ、『呪い』を解きたいと思う?八代先生が言うみたいに、この世界が崩壊するとしてもさ」


「んー……私は難しい事は良く分かんないわ。正直な話、『呪い』を解くとか世界が変わるとか、ピンとこないんだよね……意味は分かるんだけど」


「そっか……そうだよね。想像なんてできないよね」


皆、この事についてどう考えているのかな?


病院の玄関から出て、家に帰ろうとした時……玄関の横の方に救急車が止まっているのが目に入った。


「痛いわよ!もっとゆっくり運んでよね!!」


救急車から、ストレッチャーに乗せられて降りてきたのは見知らぬおばさん。


「もしかして真冬ちゃんじゃないかと思っちゃったよ。良かった良かった」


ホッと胸をなで下ろす留美子。


私も一瞬そう思ったけど、違ってホッとした。