こんな事を言っても、胡散臭いって思われるのは分かってる。


私自身、他の人に言われたら信じないと思うから。


「嘘つくならもっとマシな嘘を付けよ!明日香を生き返らせたら、その代わりが必要なんだろうが!!だまして、俺を代わりにしようって魂胆が見え見えなんだよ!!」


確かに、最初は皆そのつもりだった。


「呪い」を解くという選択肢が生まれるまでは。


「そんな事したって、同じ事の繰り返しじゃない!もう、こんな事を終わらせるために『呪い』を解こうって言ってるの!」


何が起こるか分からないのは、何も「呪い」を解いた後の事だけじゃない。


明日だって、同じ事が言えるのだから。


とりあえず袴田に、八代先生から聞いた、「呪い」を解いた時に起こる可能性を伝えて、私達は部屋を出た。


今日の「カラダ探し」が始まるまでに、答えを出してくれる事を願って。


「武司、あれで納得したのかな?」


「さあ?どうだろうね……」


一階に下りるエレベーターの中で、私と留美子は考えていた。


あゆみちゃんが死んだというのなら、高広が幸せになってたまるかという思いで、「呪い」を解こうと考えるかもしれない。