「どうやら、どこかから校門にいるのを見られていたらしい。夜に届いたメールを確認していたら、笑いながら生徒玄関の方から走って来たんだ」


そこで、浦西は殺されてしまったのかな。


二見が東棟の一階のトイレに入って来たのは知っている。


「でも、伊勢君と袴田君が違うってどういう事?」


「ああ、俺は昨晩、袴田に殺されたようなものなんだ。少なくとも、高広はあんな事はしないと思うけどな」


袴田に……殺された?


穏やかじゃないその言葉に、私は少し不安を覚えた。


「あんな事って……何をされたの?」


そうきくのは、正直怖かった。


一緒に「カラダ探し」をしなければならないのに、仲間を殺すような人がいるの?


「『赤い人』を俺達が見た時、あいつ、俺を無理矢理振り返らせたんだ。人を生け贄みたいにしたんだよ」


自分が生き残る為に人を犠牲にする……最低だと思ったけど、二見を見捨てた私は、何も言う事ができなかった。