「何だよ……俺は無駄死にだったって事かよ。それで、俺達を信用させるために納めたカラダのせいで、袴田の妹の病気が悪く変化したって事か」


「それで、怒った袴田が結子を殺したんだね。いくら妹の為とは言え、自分の彼女を簡単に殺すなんて思えないからさ」


まあ、あくまで想像に過ぎないんだけど。


今はその時の感情なんて考えていても仕方がない。


「そんな話、どうでも良いだろ?早く再現するならしろよ。それで何が分かるか分かんねぇけどよ」


高広にせかされて、私はその時の状況を説明するために、音楽室の方に歩き出した。


「逃げてた時、こっち側はまだ調べてなかったんだよな?だとしたら、カラダを見つけるために美雪と一緒の方向に逃げたって事も考えられるよな」


「カラダを見つけるためにって……保健室にあったカラダを棺桶に入れたって言ってたじゃん」


うん? 翔太と留美子の言葉で、ぼんやりと何かが頭の中に浮かんだ。


はっきりと形にはなっていないけれど、ふたりの言葉が大きなヒントになっている気がする。


そして、私と結子が逃げ込んだトイレの前で私は足を止めた。