「待てよ、それだと結子が調べた生産棟の部屋は、全部怪しいって事になるだろ……」


結子がどの部屋を調べたのかは分からないけれど、その数が多ければ、調べた場所も調べていない事になる。


「でもまあ……それはないか。昨夜の段階でカラダがどこにあるか分からないのなら、もっと必死に俺達の邪魔をしてたはずだからな」


翔太のその意見に、私達は反論できなかった。


でも、結子が邪魔をした時なんてなかったような気がする。


しいて言えば、袴田と結子が初めて別行動した日。


翔太が袴田に殺された日は、手伝いもしないで私と留美子を見ながら文句しか言ってなかった。


もしもあの時、私達がカラダを見つけていたら……どうしていただろう?


今となって分かった結子と袴田のつながりだけど、あの時は私達を信用させようとしていたに違いない。


「あれ?だとしたら、どうして結子は袴田に殺されたんだろ……」


「それは俺達に信用させるためだろ?それ以外に理由なんてないだろ」


うん、確かにそうなんだけど、何か引っかかる。