それを実行する時がやって来たのに、不確定要素ばかりの賭けになるとは思わなかった。


「呪い」を解く事が私にしかできないなら、皆にできる事はカラダを探す事。


それを理解してもらって、私達は授業が始まる前に屋上にやって来た。


ここまで来たら、もう結子の事を隠す必要がない。


もちろん、袴田がなぜ私達の邪魔をしていたかという理由も話して。


「武司の野郎……それで俺達の邪魔をしてやがったのかよ」


屋上の柵にもたれかかり、腕組みをして考え込む高広。


「でも、それは悲しいよな。俺達が明日香を生き返らせようと必死になればなるほど、袴田の妹が死にそうになるなんてさ」


「武司も高広も、大切な人を助けたいって気持ちは同じなんだよね……でも、武司の妹のあゆみちゃんは、明日香とは違う。美雪の妹だって、『昨日』死んだんだから」


留美子はそれを知った上で、カラダを探す事を選んだ。


翔太はどうなのだろう?


「まあ、何にしても明日香を生き返らせないと『呪い』も解けないんだろ?だったらカラダを探すしかねぇだろ」