美子が見上げるショーウインドーの前へと走り、私はようやくその意味を理解した。


白い服の美子……その少女の視線の先にあるショーウインドーのマネキン。


それに携帯電話の光を向けると、私の背筋に悪寒が走った。











「ひっ!!」










皆、何度この前を通っただろう。


私なんて、ここから出て来た「赤い人」に襲われたというのに。


生徒が製作した服を着たマネキンの頭部……そこには、作り物ではなく本物の頭部。


明日香の頭部が、マネキンの頭として置かれていたのだ。


「こ、こんな所に……」


このガラスは外から開ける事ができないから……家政学室の中から開けるしかない。


でも、開けられるような所があったかな?


いや、そうじゃない。


確かに、カラダを探してはいるけど、私が知りたいのは「呪い」を解く方法なのだ。


「美子、カラダの場所を教えてくれたのはうれしいけど……美紀の『呪い』はどうやれば解けるの!?それを教えて!」


これを棺桶に納めてしまうと、残りひとつ。