「お手てをちぎってあかくする~」














歌い続ける「赤い人」は、どうして私に行かせないと言ったのか……。


「妹が死ぬのって辛いよね……美子も、赤ちゃんが生まれなくて、辛かったんでしょ?なりたかったんでしょ?お姉ちゃんに……」


腹部にしがみつく「赤い人」を引きずりながら、私は呟いていた。


お姉ちゃんか……私は真冬にお姉ちゃんらしい事をしてあげられていたのかな……。


私がこの高校に入って、お母さんが私を無視し始めてから、真冬も私と話さなくなった。


進学校に行かせたい両親からのプレッシャーがひどかったのだろう。


それが私に対する憎しみに変わって。


そう考えると、真冬が私を嫌いになるのは仕方がない。


だけど……「昨日」が変化して、仲良くなったのに死んでしまった。













「からだをちぎってあかくなる~」














私が死んで、目を覚ませば真冬は生き返っているんだろうけど……私はお姉ちゃんらしい事を何もしていない。


「美子、私の気持ち……分かるでしょ?教えて、私に場所を教えたって……どこの事なの?」


廊下を歩き続けて、もう少しで南側の渡り廊下まで行ける。