「い、伊勢が死んでる……留美子は? る、留美子は何をして……」
伊勢がこんな姿なのに、カウンターに伏せている留美子が無事なはずがない。
でも、室内から見ると留美子は何かされているようには見えないけど……。
ドアを閉めて、壁伝いに廊下側へと回って、その姿を確認した私は、絶望という言葉の意味を知った。
ただ、カウンターに伏せていたんじゃない……。
下半身は廊下に倒れていて、上半身はすがり付くようにカウンターの縁をつかんで息絶えたのだという事を理解した。
と、同時に、生徒玄関の前の、避難口誘導灯の光に照らされて浮かび上がる「赤い人」の姿を、私は見てしまったのだ。
「赤い人」が、西棟の方に向かって歩いている。
うなるように、唄を歌いながら。
姿を見てしまったけれど、まだ私に気付いていない今なら、なんとか逃げる事ができるかもしれない。
留美子の亡骸に涙しながらも、私はゆっくりと後退した。
初めてできた男子の友達の伊勢、今日アドレス交換をしたばかりの留美子。
そんなふたりの亡骸を見て、涙しながら、伊勢が言った事を必死に心の中で叫んでいた。
伊勢がこんな姿なのに、カウンターに伏せている留美子が無事なはずがない。
でも、室内から見ると留美子は何かされているようには見えないけど……。
ドアを閉めて、壁伝いに廊下側へと回って、その姿を確認した私は、絶望という言葉の意味を知った。
ただ、カウンターに伏せていたんじゃない……。
下半身は廊下に倒れていて、上半身はすがり付くようにカウンターの縁をつかんで息絶えたのだという事を理解した。
と、同時に、生徒玄関の前の、避難口誘導灯の光に照らされて浮かび上がる「赤い人」の姿を、私は見てしまったのだ。
「赤い人」が、西棟の方に向かって歩いている。
うなるように、唄を歌いながら。
姿を見てしまったけれど、まだ私に気付いていない今なら、なんとか逃げる事ができるかもしれない。
留美子の亡骸に涙しながらも、私はゆっくりと後退した。
初めてできた男子の友達の伊勢、今日アドレス交換をしたばかりの留美子。
そんなふたりの亡骸を見て、涙しながら、伊勢が言った事を必死に心の中で叫んでいた。