「お前ら! 走れ!!」
思いつきだったから、チェーンで足を引っかける必要がないならそれでも良い。
チェーンを手放し、高広と一緒に走り出した私達。
でも……すぐにその後ろから、男性がスコップを手に、追いかけて来たのだ。
「逃がさんで!美紀と美子はわしが守るんや!」
なんというか……背後からすごい威圧感が迫ってきている。
少しでも足を前に出す事を止めれば、あのスコップで叩き殺されてしまうだろう。
「おい!翔太、何してんだ!早く逃げろ!」
前を行く高広が、門を出た所で留美子に肩を借りて歩いている翔太に叫んだ。
「高広!翔太は足をひねってるから走れないんだよ!」
ドアを開けるのが早すぎた……早く脱出したい一心で、翔太の状態をあまり考えていなかった事を私は後悔した。
このまま走り続けると、門を出た所で翔太達を追い抜いてしまう。
私達は逃げ切れるかもしれないけど、走れない翔太は捕まって……いや、殺されるかもしれない。



