「あ……そう言えば『昨日』調べた時、ここに……」
留美子が、思い出したように引き出しの前に進み、それを開けて取り出した物。
ミートハンマー。
肉を叩く、ギザギザのやつだ。
さびついているけれど、別に肉を叩くために使うわけじゃない。
それに、板は今にも割れそうだから、やれるかもしれない。
「もう、何でも良い!貸せ!」
足をかばいながら窓の前に立つ翔太が、留美子に手を伸ばした。
半ばヤケクソ気味に殴り付けた翔太のおかげで、窓をバツの形にふさいでいた板が破壊されて、私達は屋敷から脱出する事ができた。
木の板を打ち付けていた釘がそれほど腐蝕していなかったのが、脱出に苦しんだ要因……きっと何年か毎に、釘を新しい物に変えているのだろう。
なんて、どうでもいい検証をしてる場合じゃない。
「早く玄関に回って高広を助けないと!」
とは言っても、私達は何もできない。
翔太も足を引きずってるし……。
「ちょっとぉ、翔太はどうするのぉ?」
本当にどうしよう。



