また幻を見られると思ったけど……どうも今回は違うようだ。


夜にならないと見る事ができないのか、それとももう、美子が見せたい物は全部見せたという事なのだろうか?


「ん?美雪、ちょっと来てみろよ……こっちに」


木材で打ち付けられた窓の隙間から外を見て、私に手招きをする翔太。


何か見つけたのかな?


ほこりで覆われているとはいえ、床に飛び散った黒いシミを踏みたくない。


それを避けるように窓に近づいた私は、翔太の視線の先を追ってみた。


「あ……もしかしてあれって、うちの学校?」


育った木々が邪魔で良くは見えないけど……そんなに遠くはない場所に、それは見えたのだ。


「昨夜の幻では、美紀はこの窓の外から建設途中の校舎を見ていた……だからあの位置にいたんだ。きっと」


思ったより早く二階を調べ終わった私達は、階段を下りながら美子の部屋から見えた光景の話をしていた。


「美子が殺されたのが、学校の近くなんでしょ?学校で『カラダ探し』をさせられてるのは、美子のカラダが隠されたからって思ってたけど……どうなんだろ?」