「そうなのか……だとしたら、力ずくで閉じ込められたよりも、憎しみは強いかもしれないな。美子にとっては、可愛い妹の代わりのぬいぐるみを倉庫の中に入れたんだから」


「美紀も美子も、お姉ちゃんになりたかったんだね。でも……美紀の事を美子はお姉ちゃんと呼ばなかった」


「そこでぬいぐるみの美紗だ。美紀にとっては、面白くなかったんだろうな。自分の事をお姉ちゃんと呼ばない美子が、勝手にぬいぐるみを妹にしていたんだから」


双子だから仲が良い……そう思い込んでいたけど、整理してみると、お互いが憎しみを抱いていたという事が分かる。


いよいよ話は佳境に入る。


美子が殺害された後、美紀に起こった異変。


「美紀の身体にあった、赤いアザ……あれは間違いなく美子の恨みだろうな……」


「私もそう思う。たぶん本人や家族は気づいてなかったと思うけど……」


廃墟でも思っていた事だけど、あんなアザがあるなら、病院に連れて行かれるはずだから。


「呪い」にかかっている私達だから、それを見る事ができた……いや、もしかすると、美子が見せただけかもしれないけど。