体育館でカラダを見つけたのに……と言いたげだけど、反論しないようにと言われているせいか、口を開かない。


「今日も高広と一緒だぁ。うれしいなぁ」


満面の笑みで高広に近寄り、腕を絡める結子。


一度疑うと、その笑顔でさえ仮面を被っているように思えてしまう。


まずは携帯電話の事をきかないと。


「結子、そういえば……」


私が結子に尋ねようとしたその時だった。











テロリロテロリロ……。











ポケットに入れていた携帯電話が鳴ったのだ。


「美雪、もしかして着メロ……初期設定のまま?」


「べ、別にいいでしょ……誰からもかかってこないんだから……」


そう、いつもなら鳴るはずのない携帯電話が、なぜか鳴った事を不思議に思いながら、私はそれを開いた。


『学校が終わったら駅に来てね。そこから買い物に行こうよ』


真冬からのメールだ。


携帯電話を買ってもらってから、真冬からメールが来たのは初めて。


何か……うれしいな。


「何なに?誰からのメール?ふーん……買い物に行くんだ?私も一緒に行こうかな……気晴らしに」


明日香をぶった事をまだ気にしているのだろうか?


そんな留美子を放っておく事もできなかった。