もしも袴田が、昨夜のように校内放送が流れてから動き、体育館に向かえば……結子と袴田はつながっているという事だ。


でも、結子が正直に携帯電話を持ってると言ったら……私の勘違いだったという可能性がある。


「あ、そう言えばさ、『昨日』高広はひとりだったけど、結子はどこにいたの?」


大切な事を聞くのを忘れていた。


結子が教室に行くとは思えないから、もうすぐここに来るだろう。


「それだって!お前、結子が三階にいるって言ったよな?どこ探してもいなかったぜ」


それを聞いて、ますます怪しくなってきた。


私の推理も、あながち間違っていないかもしれない。


「よし……結子が来たら、今夜調べる場所を話すけど……ふたりとも、反論は絶対にしないでくれよ。俺に話を合わせてくれ」


翔太の言っている事がいまいち分かっていないようだったけど、ふたりはうなずいた。


結子が屋上に来たのは、そう決めてしばらく経ってから。






「あ、やっぱりここだったぁ。皆おはよぉ」


屋上のドアを開け、結子が眠そうにあくびをしながらやって来た。