翔太は独り言を呟いている自覚があるのかな……私がその独り言に返事をしても、さらに返してくる。


考え込んでいても、人の話を聞けるようにならないと。


そんな事を考えながら、通学路を歩いていた。










学校に着いた私達は、教室で高広と留美子を待ちながら翔太の席で話をしていた。


今日は校門に結子はいなかった。


私達の輪の中に入れて安心したのかな?


だとしたら、あのふたりには結子の事は話せない。


話せば留美子はまた、結子をぶつかもしれないから。


もしもその証拠を押さえたとしても、問い詰めたりはしない。


まずは高広に昨夜の事を聞いてからだ。


「そう言えば、カラダが6つ集まったけど、なんか変わった事があったか?あまり変化はないみたいだけど……」


「私はすごく変わったよ。今までお母さんと妹に無視されてたけど、人が変わったみたいに優しくなったかな。あ、ほら……『昨日』までそこにいた男子がいないよ」


その程度で、教室の中は思ったほど変化は見られない。