「なるほどなぁ……でも、どうして袴田は高広を狙うんだ?俺達がカラダを見つけたら、意味がないじゃないか?」


「あれ?また私、声に出してた?」


考え込むと、声を出してしまう癖をなんとかしないと……。


分からない事はまだまだあるのに。


「うーん……今は断定できないよな。結子がスパイなんてさ」


結局考えていた事が全部翔太に知られてしまった。


結子が途中でいなくなった事も、日中に袴田と連絡を取っていたという可能性も。


「全部私の推理……というか、想像なんだけどね。証拠がないんだ」


歩きながらそんな話をしていても解決するわけじゃないけど、対策は立てられる。


「結子の動きを見なきゃいけないな……まだ『呪い』を解く方法も分からないっていうのに、また問題か」


私と同じようにブツブツと呟く翔太。


声に出してる事を気付いてるのかな?


「問題だよね。今日も結子が携帯を持って来てないって言ったら怪しいんだよ。どうして袴田が、西棟の三階に高広がいるのを知っていたのか」


「美雪の話だと、結子が高広と三階に行きたがってたんだよな……昼間に袴田に指示してたなら、考えられなくもないな」