留美子にうなずき、生徒玄関の東側から調べる事になった私。


でも、この時……私はどこからか不気味な視線を感じ、背筋に悪寒が走った。


まるで見張られているような不気味な視線……。


今に始まったわけじゃないけれど、なんだか特に強く感じる。


「何だろう……またあの時と同じだ」


視聴覚室で美紀に見られていた時と同じ感覚。


だとすると……この空間のどこにいるの?


慌てて辺りを見回すけれど……そんな人影はない。













気のせい?


とにかく、ここは下足箱を見れば良いだけだから、早く終わらせよう。


小走りで東側の下足箱に向かった私は、携帯電話の明かりを向けて、それを確認した。


ここにはカラダはない。


次は下足箱の上。


家政学室の準備室に置かれていた棚みたいに、ほこりが積もってるんだろうな……。


そう思いながら下足箱に足をかけて、グッと力を込めてみる。


私が乗ったくらいじゃあ、壊れる事はなさそうだ。


右手に携帯電話を持ち、下足箱の一番上の板に手をかけた私は、その上を見るために脚を伸ばして身体を押し上げた。