私の言葉に「分かってるよ」と呟いて、留美子はホールから出た。


できればここにあってほしい。


そう思いながら、私も留美子の後に付いて玄関の方に歩いた。


留美子と一緒に、生徒玄関を調べる事になり、真っ先に向かったのは掃除用具入れ。


脚ならこの中か、下足箱の上にある可能性が高い。


まあ、あるとすれば……だけど。


バカンと掃除用具入れを開けて、中を携帯電話の明かりで照らして見るけど、そこには何もない。


「やっぱりないかぁ……前回はここにあったって言ってたよね?」


高広から聞いた話だとそうだけど、やっぱりここにはないようだ。


毎回同じ場所にあったら、探すのも苦労はしないよね。


「ないならないで、下足箱の方を調べよ。頭くらいなら入るはずだよね」


そう言い、自分のこめかみ辺りをツンツン突く私に、明らかに嫌そうな表情を浮かべる留美子。


「あんまり見つけたくないよね……頭なんてさ」


携帯電話を取り出して、より光が強い、カメラの照明に切り換える。


それを、少し離れた位置から下足箱に向けて確認を始めた。


「……ないね。美雪は反対側から調べてよ。私はこっちから見るからさ」


「あ、うん。分かった」