あまり良く思っていない留美子に、少しでも疑惑を持たせると、違っていた時に大変な事になるから。


「それそれ!翔太と東棟を調べ終わった後に体育館に行ったんだけどさ、ステージの幕の中に右脚があったんだよ!もうさ、びっくりしたよ」


やっぱり体育館を調べてたんだ。


これで、調べる場所がかなり限られてきた。


「今日でふたつ見つけた事になるね。後は……頭と左脚か。それで、翔太は?」


「ああ、言ってなかったね。あいつは図書室に行ったよ。調べるような場所もないから、すぐ見つかるだろうって。その後は大職員室に行くって言ってたけど」


ひとりで調べる時は、調べる所が少ない部屋を調べる。


翔太らしいと言えば翔太らしい。


「大職員室は私が調べたよ。すごく散らかしたから、見たら分かると思うけどね」


あれだけ派手にやったから、さすがにひと目で分かるはずだ。


「うーん……じゃあ後は玄関と生産棟と旧校舎くらい?近いし生徒玄関調べようか?」


「あ、でも……もしもカラダがあっても、そのままにしておこうね。近くにあるやつは、最後の方がいいからさ」