これを見れば、後で翔太や留美子が来ても、この部屋は調べたと分かるだろう。


「それにしても……校内放送が流れないな。高広、まだ逃げてるの?」


あれから、かなり時間が経ったけど、大丈夫かな?


いくら、体力に自信があるように見えても、廃墟に行って疲れているはずなのに。


でも、校内放送が流れていないという事は、きっとそうなのだろう。


「次は……どこに行けば良いんだろ。図書室に行ってみようかな」


残るは生産棟の三階半分と一階、他に調べてない場所に行くなら、図書室と体育館、玄関……旧校舎。


一番近いのは大職員室の真下にある生徒玄関だけど、ホールに近い場所を最後に残した方が良いと思うから。


私ひとりになってしまった事は少し心細いけど……。


行ってみるしかなかった。


大職員室を後にして、図書室へと向かう事にした私は、少し悩んでいた。


このまままっすぐ東棟か西棟の廊下を行くかどうか……。


まだ高広が逃げてるなら、生産棟の二階にいるとは思わないけれど、慎重になった方が良い。