「ここにはねぇか……お前らも探せよな」


「む、無茶言わないでよ! こんな訳分かんない状況でカラダを探せって……できるわけないでしょ!」


「わ……私も、怖い……」


夜の校舎ってだけでも怖いのに、照明が点かないからなおさら怖い。


それでも、廊下の避難口誘導灯は点いているから、それだけが唯一の救いと言える。


「ったくよぉ、相島はともかく、留美子は前回頑張ってただろうがよ」


「だから! そんなの知らないって!」


こんな状況なのに、言い合いができるふたりがすごい。


友達だったら、これが普通の事なのかな?


「でも、調べねぇとダメだからな。隣の応接室と、職員室を調べたら、残りの部屋を手分けして調べようぜ」


「高広! あんた話聞いてた!? 美雪も怖いっつってんじゃん!」


「だったらよ、毎晩こんな事をずっとさせられたいのかよ? 怖くても、やるしかねぇだろ」


伊勢の言葉に、何も反論できなくなった留美子。


確かに、こんな事が毎晩行われるのなら早く終わらせたい。


最後までブツブツと文句を言っていた留美子だけど誰がどの部屋を調べるか、じゃんけんで決めると言い出して、それに従う事になった。