それに期待して私は、高広と結子が待つ三階へと向かって歩いていた。


西棟を南に歩き、階段を上って三階に到着した。


トイレは終わっていると思うから、右側の教室かな?


そう思い、廊下に出る前に音を聞き、少し顔を出して安全を確認してから私は廊下に出た。


北側を向いて、すぐにある教室のドアを開けて中を確認するけど、ふたりはいない。


誰かがいれば、携帯電話の光で分かる。


「高広がいるから早いよね。もう、一番端まで行ったのかな?」


ブツブツとそんな事を呟きながら、私は廊下を歩いて次の教室へ。


北側に進むにつれ、奥の方から話し声が聞こえる事に気付いた。


どの教室にいるか分からないけれど、ふたりの話し声がこんな位置でも聞こえるなら、「赤い人」も少しの物音で気付くはずだ。


隣の教室のドアを開けて、室内を確認してみるけど、声が聞こえたのはここじゃない。


この隣の部屋かなと、歩き始めたその時だった。













『「赤い人」が、西棟三階に現れました。皆さん気をつけてください』