ふたりとも、袴田に狙われる可能性が高いという事が私は心配だった。


しばらく、高広と袴田のにらみ合いが続いたけれど、お互いに手を出そうとはしない。


袴田にしてみれば、昨夜の事が頭にあるから、うかつには手を出せないのだろう。


そして、高広にしてみれば、無駄な体力は使いたくないのだと思う。


私達が廃墟となった小野山邸を調べている間に、袴田が何をしていたのかは分からない。


皆はどうなのだろう?


私はすでに疲れているんだけど。


でも、そんな事はおかまいなしに開き始める玄関のドア。


「始まったな。まあ、あの事はこれが終わってから考えよう。今はカラダを探す。いいな?」


翔太はそう言うけれど……あの幻で、「呪い」を解く方法が分かるとは思えない。


でも、まだカラダは4つ探さなければならないから、考える時間はまだ残されているという事だ。


それでも分からなければ、またあの廃墟に行かなければならないのかな?


「美雪ぃ、行くよぉ? ここにいたらぁ、武司にレイプされるよぉ」


あれこれと考えている間に、高広達は動き始めていた。