幻が消え……私達がいた場所は廃墟ではなく、夜の学校。


やっぱり、時間の流れが早いようだ。


「え?ここ、学校じゃん!?あれで終わり?」


納得ができなかったのだろう。


留美子が辺りを見回して、驚いたように言った。


「終わり……みたいだな。美子はいったい何を見せたかったんだ?」


「もしかしてぇ、『お姉ちゃん』って呼んでもらえたらぁ、『呪い』も解けるんじゃないのぉ?」


「どうやって言わせるつもりだ?『赤い人』に頼むのか?殺されて終わりだぞ……」


翔太も結子も、あの幻では答えが分からないと悩んでいる様子。


高広は、前回の「カラダ探し」では、ぬいぐるみを奪ったら「赤い人」が怒ったと言っていた。


最後のカラダが頭の中に入っていたから、ぬいぐるみを引き裂いたとも言っていたけど……幻では、ぬいぐるみにした事が、美紀に返っていたようだ。


この違いは何だろう?


美紀は、美子を「ずっと守ってあげる」と言っていたけど、ぬいぐるみは守らない。


むしろ、引き離したいと思っているはず。