「あんな状態で病死なんてないよね……あれは絶対美子が関係してると思う」


あと少し。今のところ「呪い」を解く方法は見つかっていないけど、このまま美子が幻を見せてくれれば、それにたどり着けるかもしれない。


そして、「呪い」を解けば……何かが起こるかもしれないのだ。


「まあ、美子が教えてくれるだろ。次はどこだ?まだ音が聞こえねぇけど」


そう言われてみれば、まだ床がきしむ音が聞こえない。


もしかしてこれで終わり?


少し不安を感じながらも、私達はその場で立ち尽くしていた。


この廃墟に入って、かなりの時間が経過した。


「カラダ探し」まで、そんなに時間に余裕があるわけじゃない。


携帯電話の時計を確認すると、もう23時を回っている。


先生の家を出たのが、19時過ぎだという事を考えても、4時間も経ったとは思えないのに。


夜の校舎と同じように、この廃墟も別の空間なのだろうか。


「もう時間がないよ……やっぱり、さっきのが最後だったのかな?」


留美子が不安そうに皆の顔を見回して、誰にと言うわけでもなく尋ねる。