よろめいてベッドに倒れ込み、悲しそうな表情を浮かべてそう呟く。


私の気のせいかな……美紀は、美子が死んだ事を悲しんでいるのではなく、「お姉ちゃん」と呼んでもらえない事を悲しんでいるように思えてならない。


「でも、美子ちゃんいたよね。お葬式の時も、美紀ちゃんの横にいたのに。この前も一緒に遊んでたのに……」


美紀がそう言った時、少しアザが動いたような気がした。


美紀の身体の表面をうごめくアザ。


それがハッキリと分かったところで、明るかった部屋が、ゆっくりと暗くなっていった。


美子が見せた幻が解けたのだ。


暗い部屋の中で、立ち尽くす私達の足元を照らし出す懐中電灯の明かり。


高広と留美子が持つ懐中電灯が、部屋の入り口と奥の床を照らしていた。


「今のは……どう解釈すれば良いんだ?美子が死んで、美紀は悲しんでいたよな?」


最初に口を開いたのは翔太。


「あれって悲しんでたの?私にはすねてるようにしか見えなかったけど」


「でもぉ、確かに悲しそうではあったよねぇ。様子はおかしかったけどぉ。お葬式の時に横にいたとかぁ、訳分かんない」


留美子も結子も感じ方はバラバラ。