「どうだ?また何か見えたりしたか?」


「何もないよ。てか、早く出ようよ。さっきのだけでも十分ヤバいって!」


留美子がそう言いたくなるのも分からなくはない。


今にも何かが出て来そうな雰囲気の中で、調べ続けたいなんて思わないから。


「またぁ、昼に来れば良いんじゃないかなぁ?場所も分かった事だしぃ」


珍しく、留美子の意見に賛成した様子で結子が言ったその時。











ギシ……。




ギシ……。












廊下を、誰かが歩いているような音が聞こえた。


慌てて室内を見回し、全員がそこにいる事を確認した八代先生以外の皆。


全員、この台所にいる。


留美子が懐中電灯で照らした廊下。












音が聞こえたその場所に……女の子の足のようなものが、入り口の前を通り過ぎたのが見えたのだ。


確実に……そこに何かがいる。


ギシギシと、床がきしむ音はまだ聞こえているから。


しかし、その音でさえも聞こえているのは私達だけのようで、八代先生はまだブツブツと呟いたまま。


「た、高広!ちょ、ちょっと見てきてよ!何よ今の!」


「な、なんで俺なんだよ!?」