「健司の家の近くなのか……小野山家は」
車の窓の外を見ながら翔太が呟いた。
私は杉本の家がどの辺りにあるか分からないからピンと来ないけれど、翔太が言うならそうなのだろう。
「さて、そろそろ着くけど、懐中電灯は二つしかないよ。どうする?」
出発前に先生が用意してくれたそれは、一般家庭にあるようなプラスチックのものではなく、ドラマなんかで警察官が持っているような、全長30センチくらいの金属製の懐中電灯。
「ひとつは先生が持てよ。もうひとつは……そうだな、留美子が持てよ。ギャーギャーうるせぇからよ」
そう言い、懐中電灯のひとつを留美子に渡す高広。
「う、うるさいって何よ!!廃墟なんて、普通に怖いでしょ!!」
「だから、懐中電灯を渡しただろうがよ……やっぱりうるせぇじゃねぇか」
路肩に停めた車から降り、携帯電話を取り出して高広はそう言った。
「ちょっと待ってくれ!まさか僕も行くのかい!?」
全員降りた車の中で、八代先生が私達を見て叫んだ。
「当たり前だろ?生徒だけで行かせるつもりかよ」
車の窓の外を見ながら翔太が呟いた。
私は杉本の家がどの辺りにあるか分からないからピンと来ないけれど、翔太が言うならそうなのだろう。
「さて、そろそろ着くけど、懐中電灯は二つしかないよ。どうする?」
出発前に先生が用意してくれたそれは、一般家庭にあるようなプラスチックのものではなく、ドラマなんかで警察官が持っているような、全長30センチくらいの金属製の懐中電灯。
「ひとつは先生が持てよ。もうひとつは……そうだな、留美子が持てよ。ギャーギャーうるせぇからよ」
そう言い、懐中電灯のひとつを留美子に渡す高広。
「う、うるさいって何よ!!廃墟なんて、普通に怖いでしょ!!」
「だから、懐中電灯を渡しただろうがよ……やっぱりうるせぇじゃねぇか」
路肩に停めた車から降り、携帯電話を取り出して高広はそう言った。
「ちょっと待ってくれ!まさか僕も行くのかい!?」
全員降りた車の中で、八代先生が私達を見て叫んだ。
「当たり前だろ?生徒だけで行かせるつもりかよ」