「車の中でも言っただろう?本当に知らないんだ。僕は『カラダ探し』を終わらせてから、ずっとその事を調べていた。だけど、何も分からなかった」


自分の部屋なのに座る場所がない。


そんな様子で、最終的には床に腰を下ろして私達の輪の中に入る八代先生。


「じゃあ、せめて『カラダ探し』だけでも止められないの?そうすれば、世界が……変わる?のも止められるじゃん?」


突然、思い付いたように口を開いた留美子。


でも、その言葉に八代先生は首を横に振った。


「そんな事ができるなら、誰かがとっくにやっているだろうね。『カラダ探し』を止めるのと『呪い』を解くのは同じだと思うよ。それに……まあ、世界が変わると決まったわけじゃないしね」


八代先生は「可能性」を言っているだけ。


最悪の可能性を想定しているからこそ、先生は不安になっているのだ。


しばらくして先生が注文したピザが届き、私達はそれを食べながら話を続けていた。


「だからね、『カラダ探し』でキミ達は同じ日を繰り返しているだろう?それなのに身体は年を取る。自然の摂理をねじ曲げているのが『呪い』なら、それを解いた時の反動は相当の物だと思うんだよ」