翔太がそう言い、私をチラリと見る。


うん、確かにその通りだと思う。


人に迷惑をかけるのは良くないよね。


「遥も結子もさぁ、高広には明日香がいるんだから、諦めなっての。高広は明日香の事しか考えてないって。あんた達の入り込む余地なんて、これっぽっちもないんだから」


そう言い、右手の人差し指と親指で、少し間の空いた輪を作って見せる留美子。


「そんなのぉ、どうなるか分からないでしょぉ?私にだってぇ、まだまだチャンスはあると思うしぃ」


そんな話を聞きながら高広が来るのを待ち、先生との約束の時間までを教室で過ごした。


「呪い」を解く方法……それを八代先生が知っているのかは分からないけれど。












約束の時間になり、旧校舎の玄関で待っていた先生に案内され、車に乗り込んだ私達。


結子は舌打ちをしていたけれど、昨夜の事もあるから置いて行くわけにはいかない。


「八代先生、この『呪い』を解く方法はあるんですか?『呪い』を解いた後の事を考えても、方法が分からなければ考えるだけ無駄ですからね」


早速、翔太が八代先生にたずねる。