「だってぇ、勉強なんてつまんないじゃぁん。面白い話は好きだもん。つまりぃ、『呪い』を解いたらどうとか考える前にぃ、『呪い』を解く方法を考えなきゃいけないって事でしょぉ?」


「あ、ああ……そういう事に……なるな」


あの翔太でさえ、結子とは思えないその言葉に、顔が引きつっている。


八代先生は迷っていて、私達も悩んではいるけれど、誰も知らないのだ。


「呪い」を解く方法なんて。













もうすぐ明日香が頼みに来る時間。


私達は、荷物を取りに教室に戻って「昨日」と同じように鳴戸と三神の掃除の手伝いをしていた。


「皆、本当にありがとう。他の人が帰っちゃって、私と遥のふたりしかいなかったんだ」


机を運びながら、鳴戸が笑顔を向ける。


「あーあ、なんで今日も手伝ってるんだろ……高広もお人好しだよね」


フウッとため息を吐いて、ブツブツとそんな事を言いながらも一緒に机を運ぶ留美子。


「仕方ねぇだろ、まだ時間はあるんだからよ。理恵に頼まれたら、断れねぇだろうが」


それは、幼馴染みだからなのだろうか?