でも、前回の記憶のある高広は、なんとなく分かったような微妙な表情に変わった。


「ごめぇん、よく考えたらぁ、私『カラダ探し』の事あんまり知らなかったぁ」


そう言われてみれば……私達のペースで話を続けていたけど、結子には詳しく話してなかった気がする。


「そ、そうだったな……じゃあ美雪は結子に今までの事を教えてやってくれないか?俺はふたりに説明をするからさ」


「え?うん、分かった」


結子は前回の事も知らないから、そこから話をしなければならない。


「美雪、よろしくねぇ」


「ちょっと長くなるかもしれないけど、我慢してね」


いくら説明をしても、理解できなければ意味がないから、それには注意しなければならない。


何度繰り返してでも、結子には皆と同じくらいの情報を与えないと……。


なんて、思っていたのに……予想外と言ったら失礼かもしれないけど、結子の理解力はすごかった。


一から話をすれば、それを全部自分なりに解釈して。


テストの点数が悪いのは、勉強自体に興味がないだけなのだと私は思った。